常に隣に居て欲しいのは山々だけれどそうはいかないから今位は、
「土方さん、知りませんかィ?」
「?買い出し行ってくるとか言って出てったぞ。」
「そうですかィ。」
「総悟、」
「何ですかィ?」
「今日はもう終わっていい。後は俺がやる。」
「・・・有り難う御座いまさァ。」
かんかん照りの太陽の中、アスファルトがフライパンに火を掛けた様なジュージューという幻聴が聞こえる。
蝉が腹の底からミーンミーンと声を張り上げている中、は夕食の買い出しへと向かっていた。
「あーづーいー、こんなん人間の住む土地じゃないよ!総悟は仕事で忙しいし、ゆっくりする暇ないな・・ってか暑い!」
ぐだぐだと述べることを述べ終わってみれば、目の前に『大江戸マート』の大文字。
筆で殴り書きされたような看板がもの凄く目立つ。
「さーて、買い出しいきますか!」
は半袖の裾を更に肩まで捲り上げて大江戸マートの中へ入っていった。
「大江戸マート、大江戸マートっと、」
総悟は隊服のままを探しに向かっていた。
この灼熱の太陽の中でがっちりとした隊服はやはり似合わず、やれチンピラ警察24時だなんだと街行く人々の目に付いた。
しかし総悟はそんなことなど気にとめもせずスタスタと大江戸スーパーへと向かった。
「3442円になります。」
(ヤバイよヤバイ。計算違いだった!40円足りない!どうしよ!!)
「あのー・・すみま・・
「俺が払いまさァ。いくら足りないんですかィ?」
「よ・・・よんじゅうえん。」
「有り難う御座いましたー(にこ)」
と総悟はレジで会計を済ませると、店員さんの営業スマイルを背に大江戸マートを後にした。
「・・そっ総悟、仕事は?」
「終わりましたぜィ。」
「後で40円返すからね。(棒読み)(緊張して声が、あれ?おかしいな・・・!)」
「(なぜに棒読み)40円位どうってことないでさァ。」
「で、なんで今日早く終わったの?」
「に会いたかったからに決まってまさァ。」
「ででででも土方さんは何て?(どきどきさせないでよね!)」
心臓はばっくんばっくんで声は震えるわ足はガクガクするわでもう大変。
は心の中で落ち着け落ち着けと何度も復唱した。
「午後から非番くれるとか言ってましたぜィ。」
とにやにやしながら言った。
「な、何がおかしいのよ!」
が慌てて声を上げると、総悟はの反応を見てくすくすと笑いながら答えた。
「、顔が真っ赤でさァ。」
真っ赤に塗りたぐられた太陽をも焦がしてしまう程の想い。
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