「店長のばーか!」







夜中の一時、ざあざあと激しく降る雨の中であたしは一人、傘を持たず元バイト先(今さっきクビになった。)の近くにあるコンビニの外でしゃがみ込んでいた。



涙と雨で顔はぐしゃぐしゃだわ服はびしょびしょだわでもう大変。



夜中で人通りも車通りも少なく、思いっきり泣けた。



そしたら急にポケットに無理矢理突っ込んでたケータイが鳴った。







「あ、土方さんからだ。」







メールの送り主は土方さんで、『今どこ?』とだけ書かれていた。



あたしは『近くのコンビニだよ。』と泣きながら返信した。



そしたら何秒も経たないうちにケータイが鳴って、『傘持ってないだろ、そこで待ってろ。』ってぶっきらぼうな返事がきた。(土方さんって結構メール打つの速いな・・・。)







雨は降り止むことを知らず、ざあざあと激しさを増すばかりで、あたしは気が遠くなりかけた。















土方さんは呆れ顔で立っていて、「馬鹿かお前は、」と言いながらあたしの手を取った。







「バイト、クビになった。」







あたしがぐずぐずになりながら喋ると、土方さんはあたしの頭をぐっと自分の方に引き寄せて「気にすんな。」と言ってぐしゃぐしゃとあたしの髪を撫で回した。







雨がノクターンに合わせて踊る真夜中の出来事。













     足 音 の 無 い 夜 想 曲



























































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